シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター47:キシリトールで肝不全

      2019/07/25

キシリトールの犬での毒性は、以前ニュースレター1でお知らせしたのだが、このときはキシリトールが膵臓からインシュリンの分泌を促し、低血糖、低カリウム血症になってすぐ処置しないと危険であるとしか書かなかった。この時点ではキシリトールの毒性は大量に摂取しない限り、また空腹時でない限り問題になることは少ないだろうと考えていた。それでもキシリトールの入っている製品は扱えないと考え、ビルバック社のオーラルケアという歯石予防ケア製品とメリアル社の経口鎮痛剤メタカム(メロキシカム製剤)は、もしものことを考え扱わないようにした。メーカーの説明では、量が少ないので問題は無いとのことであるが、薬メーカーが毒性のある物質を使用していること自体が問題である。
そんな中、ASPCAの毒物管理センターの獣医師の報告がなされていた。
それによると、キシリトール製品の摂取により、以前報告があった低血糖以外に肝不全が起きているという。キシリトールによる低血糖は摂取して30分ぐらいして起こるが。肝不全は12時間ぐらいして起こる。嘔吐、虚脱、肝酵素の上昇、高ビリルビン血症、低血糖、肝で作られる凝固因子の不足から起こる血液凝固障害(皮下出血、消化管出血)などが起こる。低血糖、凝固不全までいくと助からないことが多い。
今までのところ、キシリトール中毒と思われる症例は経験していないが、今まで以上に、注意が必要と思われる。

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