シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター9:大型犬の関節疾患

      2019/08/01

この間、某フードメーカー主催のセミナーに行ってきた。関節疾患についての講演であった。
大型犬は、離断性骨軟骨炎、股関節形成不全などの、発育期整形外科疾患にかかり易い。この疾患は、遺伝的素因以外に不適切な食餌によって生じると言う。その不適切な食餌とは、高カロリー、高カルシウムの食餌という。つまり、一般に売られている子犬用フードのことである。私は今まで大型犬において、成長期に肥満にしないようにしてくださいとか、カルシウム剤は添加しないでくださいと指導していたが、フードは、子犬用フードをあげてくださいと言っていた。大型犬の子犬の飼い主には嘘を言ってたことになるではないか。ショックである。メーカーは、大型犬用のパピーフードを発売しているので、それをあげてくださいとのこと。大型犬用のパピーフードが有るのは知ってたけど、単に粒が大きいだけだと思っていた。認識不足であった。そこで普通の子犬用と比べると、カロリーで一割強、カルシウムは三割も減っている。カロリーに関しては、成犬用フードよりも少ないのである。発育期において、大型犬は小型犬に比べて、かなり体重の増加率が大きい。そのため関節軟骨にかなりの負担が生じ関節疾患が起こりやすい。カロリー制限による発育速度のコントロールは必要なのだが、成犬用よりも少ないとは驚きである。なんか奇妙な感じがするが、データがあるのだから本当なんだろう。このフードは、脂肪成分を減らすことでカロリーを抑えているので、カロリー制限したからと言って、成犬時の骨格の大きさは、変わらないので安心を。

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