シンシア動物病院

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アレルギー治療



アレルギー

アレルギーとは、本来ならば害のないものを、誤って敵と認識してしまい体内から排除しようと免疫が過敏に反応することを言います。
アレルギー反応を避けるためには、原因となるアレルゲンに触れる機会を無くすことです。
しかしながら実際、環境中に存在するハウスダストなどのアレルゲンは回避することが不可能です。

アレルギーの原因を探る

アレルギーの原因物質には、大きく分けて食物によるものと環境によるものがあります。
アレルギーの発生経路は、IgE抗体によるⅠ型アレルギーと、リンパ球が関連するⅣ型アレルギーの、2つの経路があります。
Ⅰ型は、すぐに激しい反応を示します。 一方、Ⅳ型は、1日から2日たってから反応が現れます。
食物アレルギーの7割はⅣ型アレルギーによるもので、2割はⅠ型アレルギーによるもです。1割はその両方が関連しているといわれています。

検査

一般皮膚検査
痒みを引き起こす原因にはアレルギー以外にも様々な原因があります。そこで皮膚検査を行うことでアレルギー以外の皮膚病がないかをチェックします。
 
除去食試験
食物アレルギーの原因となるタンパク質を免疫反応が感知する限界以下まで分解したごはん、もしくは今まで経験したことのないタンパク質のみに限定したごはんを1ヵ月間使ってアレルギー反応が発生しないかを観察する検査です。
つまり、検査用のご飯を1ヵ月間食べて今まであったかゆみ、赤みなどの症状が治まった場合その子は「食物アレルギー」だったという事が分かります。
 
IgE検査(アレルギーの血液検査)
血液検査を行うことでその子が何に対しての抗原を持っているか(アレルギーの原因は何か)を評価することで即時型のアレルギーを検査します。
 
リンパ球刺激試験
こちらも血液検査の一つです。食物アレルギーなど、遅延型のアレルギーを検査するものです。
 

治療

副腎皮質ホルモン(ステロイド)
かゆみや炎症を抑えるお薬です。ステロイドは即効性の薬ですが、長期間使い続けると体に負担がかかります。
 
抗ヒスタミン剤
犬では抗ヒスタミン薬の副作用がほとんどありません。第一世代の抗ヒスタミン薬は、人では「眠くなる」という副作用がありますが、犬ではたまに見られる程度です。しかしながら、10-20%の犬にしか良好な反応は認められません。当院ではステロイド剤と併用することで、通常よりステロイド剤の使用を減らしています。
 
インターフェロン療法
免疫療法の一つです。アレルギーは体内の免疫バランスが崩れることで発生するので、それを補助することを目的に使用します。インターフェロン療法は皮下注射となります。
 
免疫抑制剤
ステロイドを使用せずに、アレルギー症状を緩和できます。また単独で効果が弱い場合は、少量のステロイドと併用することで、良好なコントロールが可能です。デメリットとして、このお薬はステロイド剤や抗ヒスタミン剤に比べて価格が高く、ステロイド剤に比べて即効性がなく1か月ほど掛かります。
 
シャンプー療法
皮膚を洗浄することにより皮膚に付着しているアレルゲンや余分な角質や皮脂、二次的に増えた細菌やマラセチアを取り除くことを目的にしています。シャンプー療法で良くなる場合もあり、飲み薬の減量が期待できます。
 
減感作療法
IgEの関与するアレルギー症状に対して、長期寛解や治癒が期待できる唯一の根本的治療であり、完全寛解できなくとも、症状の軽減や内服薬を減薬することが可能となります。ステロイド薬などの内服薬を長期的に投与し続けるのに比べて副作用がほとんどないと言われています。
犬においては60%~80%で何らかの改善が認められます。
また、年齢の若い子ほど効果が現れやすい傾向にあるので、若年齢で今後症状が長期にわたる個体には有効的であると考えます。
当院で行っている減感作療法は注射療法と舌下療法があります。
注射療法は、初め薄い濃度のアレルゲン注射液から徐々に濃いものへと、2~3日間隔から徐々に間隔をあけて、最終的には1ヵ月間隔で注射します。
効果は早い子で2~3ヵ月、遅い子で9ヵ月と巾があります。
いつまで続けるかは、決まりはなく、早く止めると再発があるので、なるべく長期間続けた方が良いと思われます。
舌下療法は毎日、舌下又は頬と歯肉の間に投与する方法で自宅で行う事ができます。ただ、暴れる子は難しいかもしれません。
効果については、注射では効かなかったが、舌下にすると効いたという報告もあります。
 

減感作療法のデメリット

減感作療法は1匹1匹お薬の内容が異なるので、その子専用でお作りします。
まず、アレルギー検査を行い、その結果でお薬を注文いたします。そのため、初期費用が大きくなることが挙げられます。
治療回数が多く、効果が表れるまで2~6ヵ月程かかりますので、すぐには痒みを抑えることはできません。
この治療による重篤な副作用としましてはアナフィラキシーショックがありますが、この発生率はアレルギーの検査会社の報告で、約30万頭のうち0.005%程で死亡例はありません。
また、高齢動物では効果が現れにくい傾向にあります。
 

公開日:
最終更新日:2019/09/30