シンシア動物病院

倉敷の動物病院/ペットクリニック/犬/猫/爬虫類

シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター39:犬の歯周病予防ワクチン出来る。

      2019/07/25

テレビのコマーシャルでよく見るので知っていると思うが、歯周病を放っておくと、歯周病菌が歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまい、その結果歯がぐらぐらして抜け落ちてしまう。そればかりかその細菌が血液の中に入り込み敗血症を起こしたり、細菌性心内膜炎や腎炎等を起こしたりする。歯周病は歯が抜け落ちるだけならまだよいのだが、歯周病菌による全身疾患が恐いのである。
この度、犬の歯周病予防ワクチンがファイザー社によって開発され、今年の秋ごろからアメリカで発売されるらしい。
このワクチン、犬の口腔内の細菌で、76%の犬から見つかった3種類の細菌(Porphyromonas Denticanis, P.Gulae, P.Salivosa)に対するワクチンである。
これらの細菌が細菌叢を形成し歯垢となり、細菌の出す毒素により歯槽骨が溶かされる。
ワクチンはこの最前線の所で細菌が侵入しないよう抗体を作って防ぐのである。
ですから、細菌叢や歯垢の形成が予防できるワクチンではないので歯磨きは必要である。
このワクチンの使用方法は、すでに歯周病になっている犬の病気の進行を防ぐのに使えるし、歳をとって歯の汚れがきになってから注射すればよいと思う。
アメリカでの反響が良ければ日本でも発売されると思うのだが、歯の手入れが苦手な人には、愛犬の歯周病を悪化させないためにもいいワクチンだと思う。

 - 院長ブログ