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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター29:猫は甘党?辛党?

      2019/08/01

昔から、猫は甘いものにはあまり関心を示さないと言われてきた。しかし、「家の猫は、とてもあんこが好きなんです。」と、言われる飼い主さんがいる。「変な猫ですよね。」と。確かに変な猫である。猫は肉食なのだから。ちなみに家の猫は、味付け海苔が大好物。こっちの方は、まだ理解できる。猫は時々草を食べて胃の掃除をするし、味付けの醤油は、アミノ酸が主成分であるからである。
この度、猫の味覚に関して、なぜ甘みに対して関心が無いのかを、遺伝子レベルから解明した論文(Pseudogenization of a sweet-receptor gene accounts for cats' indifference toward;Joseph G. Brand et al.PLOS GENETICS)が発表されていた。
要約すると、哺乳類の甘味を感知する受容体は二種類のタンパク質の重合体で出来ており、それぞれのタンパク質を作る遺伝子がそれぞれある。しかし、ネコ属ではその内、ひとつが働かずタンパク質が作られていないことが解った。そのため甘味を感知できないと言うことである。
と言うことは、現在うちの病院でシロップで処方している薬は、猫には意味が無いことになる。今度から味の素かなんかで薬の味をごまかして見ようか。

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