シンシア動物病院

倉敷の動物病院/ペットクリニック/犬/猫/爬虫類

シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター31;犬の胃拡張症(胃捻転)とフードとの関係

      2019/08/01

大型犬でよく起こる胃拡張症は、食餌の入った胃袋が、体を動かしたはずみで捻れ、胃内のフードが醗酵してガスが発生し、胃が捻れているため上も下も出口が塞がって、ガスが貯まって胃がどんどん膨れていくという緊急疾患で、発見が遅れて手遅れになることが多い疾患である。
原因は不明で、フードの中に含まれている大豆や穀物が悪いんではないかとか、動物性蛋白が少ないのが悪いんではといろいろ噂が出ている。
その信憑性について、M.Raghavanら(Jarnal of America Animal Hospital Jan.2006;vol42)が調べていた。
それによると、大豆や穀物及び動物性蛋白は、この病気のリスク要因ではないという。
しかし、予想していなかった脂肪(植物性、動物性)でこの病気のリスクが高くなったという結果が出たという。
何故、脂肪がリスク要因なのか解らないが、今後の研究に期待しよう。
大型犬の栄養管理は、結構難しい。成長期にカロリー取り過ぎると関節疾患になり易かったりするし、歳をとって脂肪が多いと胃捻転になり易かったりで、結局カロリー押さえ気味にして、そのカロリーは脂肪からあまり取らないということかな。
胃捻転の予防として、食餌の回数を増やし、一回の量を減らす、食後は安静にさすことも必要であろう。

 - 院長ブログ