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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター65:犬や猫に動脈硬化症、脳梗塞、心筋梗塞が少ない理由

      2019/07/22

人では、メタボリック・シンドロームと騒がれ食生活に気をつけるようになってきてはいるが、なかなかと言う人もいると思う。ペットも同様で、幾ら飼い主さんに説明しても病院に来るたびに、体重は記録更新。何時かは糖尿になるよと脅かすが、なかなか聞いてはもらえない。しかし、犬や猫でどう言う訳か、人でよく見られるアテローム性動脈硬化症になって脳梗塞や心筋梗塞になったと言う話は聞いたことがないし見たこともない。何故なんだろうとずっと思っていた。そこで、犬の高脂血症について調べていると、犬や猫は人とは違って、HDL(高比重リポ蛋白)哺乳類と言われ、血中リポ蛋白の内HDLが優勢な動物であるらしい。逆に、人やサル、豚、ウサギなどはLDL(低比重リポ蛋白)哺乳類と分類される。
LDLやHDLなどのリポ蛋白は血中でトリグリセリドやコレステロールを体の各組織に運ぶ運び屋である。コレステロールなど必要なものであるが、脂肪を取り過ぎてLDLが増えると動脈硬化など起こすから、悪玉コレステロールなどと呼ばれ、逆にHDLが増えると動脈硬化が防げるので善玉コレステロールと呼ばれている。
犬や猫は、HDLが優勢であるから動脈硬化が起きにくいのだろうか。
だから肥満しても大丈夫なんて考えないでほしい。高脂血症があると膵炎を起こしやすいし、太っていると糖尿病や関節疾患になり易い。
スリムになって健康でいることが、どんなにいいことか。省エネで地球に優しいから。

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