シンシア動物病院

倉敷の動物病院/ペットクリニック/犬/猫/爬虫類

シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター48:肥満犬の痩せ薬、アメリカで認可される。

      2019/07/25

2007.1月5日アメリカのFDAは犬用の食欲阻害薬を承認した。この薬は、Dirlotapide(商品名Slentrol)
と言って、ファイザー社よりこの春から発売される予定。日本での発売は未定。
この薬、選択的ミクロソームトリグリセリド転移蛋白阻害剤(Selective microsomal triglyceride transfer protein inhibitor)と言って、細胞内でリポ蛋白を作り、血中に放出するのをブロックする。
体重減少のメカニズムは、まだ明らかではないが、脂肪の吸収減少と小腸の細胞からの満腹信号が出ているらしい。
ミクロソームトリグリセリド転移蛋白阻害剤。人の方では、高コレステロール血症の治療薬として研究されている。思うに、ファイザー社も高脂血症などの治療薬の研究で犬が痩せていくということから、この薬の販売を考えたのかも。
痩せ薬ということから、人には絶対に使用しないことと、FDAは警告している。人が服用すると、お腹が張って痛くなり、下痢、頭痛、吐き気、嘔吐が起こるとある。
犬での副作用も同じ様なもので、嘔吐、下痢、嗜眠、食欲低下である。この副作用で十分痩せれると思うのだが。
飽食して病気になって薬を飲む。なんと無駄なことをしているんだろう。世の中ろくに食事を摂れない子達が沢山居ると言うのに。

 - 院長ブログ