シンシア動物病院（倉敷）ニュースレター６２：動物用ピモベンダン発売される
2019/07/22
以前、ニュースレター４４で紹介したピモベンダンと言う心臓の薬、とてもよく効くので当院でも使っていますが、何しろ高い薬なので末期の心臓病患者にしか使っていない。以前ならもお駄目かなと諦めていた患者が、持ち直して食欲も出て来て飼い主さんは喜び、本当によい薬だと思っている。
このすばらしい薬が、動物用としてついに発売されることとなった。驚いたことに、値段が人用の３分の１になっていた。うれしいことである。
こういう新薬が動物用で出ても、人体薬とあまり値段が変わらないのが一般的であるのに今回は、なかなかメーカーも頑張っていると思う。
病状のどの時期から使うかは考える所であるが、他の薬との相性も悪くなく、長期投与の悪い影響も無く、延命効果も認められるので、初期から使ってもよいと思うのだが、ちょっと症状が気になりだした中期ぐらいから使うのが良いかなとと思う。ずっと飲む薬なので自覚症状のない初期からだと途中で止めてしまったり、費用の面で負担がかかる。
価格を安くすると言うメーカーの戦略は、早い時期から投与して長生きしてもらい、たくさん使ってもらおうという薄利多売戦略なのであろう。
相手の戦略に、やすやす乗るのもなんか癪に障るが、安くなって飼い主さんも喜び、ワンちゃんも楽になってこちらもうれしいので、これから使うことが多くなると思う。