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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター70:犬の避妊手術法、卵巣摘出術と卵巣子宮摘出術どっちが良いか

      2019/07/22

年の瀬も押し迫ってきて、仕事、家事、忘年会などとなんとなくあわただしい。私もこの一ヶ月ほど、病院の忘年会の余興のため、久々にギターを練習した。昔からの定番は、わが愛するキャロル・キングのYou've got a friend,それにPP&MのDon't think twice it's all right.今年は、新しくエリック・クラプトンのChange the world、AIKOのボーイフレンド、つじあやのの風になるを練習した。中でも、風になるは病院スタッフ皆で振り付けを考えて、踊りながら歌ったのでとても楽しかった。
そんな訳で、ニュースレターひさしぶりに書いている。あまり新しいテーマではないが、Veterinary Surgeryという雑誌に犬の避妊手術法について記事があったので紹介する。
避妊手術法には二つあり、ひとつは卵巣だけ取る方法、もうひとつは卵巣と子宮どちらもとる方法である。どちらが良いかということであるが、過去の文献からそれを考察したものである。
結論は、卵巣だけ取る方がベターであるという。子宮を取る方は、侵襲性が大きい、出血しやすい、子宮を取った断端に肉芽腫ができる、尿管に障害を起こしやすいと言う結果であった。長期的副作用として起こる子宮内膜炎や子宮蓄膿症、尿失禁に関しては差が見られなかった。
ヨーロッパでは、卵巣摘出が主流であるが、アメリカでは卵巣子宮摘出が主流であるらしい。アメリカの先生に影響を受けた先生は、卵巣だけ取るのは後々子宮の疾患を起こすかもしれないので、良くないと言う。そんな先生に影響をうけた飼い主さんもそれを信じてしまう。時々そんな飼い主さんから、避妊手術についての問い合わせがある。私の病院では卵巣だけを取っていると言うと、子宮を取らないなんて信じられないと言う風な対応がある。そんな飼い主さんに何を説明しても言い訳にしか取られないので何も言わないのであるが、もしわが身がされるのであれば、痛くないほうを選ぶと思う。

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