シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター36:AAHA(アメリカ動物病院)の'06ワクチン・ガイドライン

      2019/08/01

今回発表された新しいガイドラインは、28ページにも及ぶ大作ですが、'03のガイドラインと基本的には変わっていない。つまりコアワクチンであるジステンパー、パルボ、伝染性肝炎の三種の予防ワクチンは推奨するが、後は推奨しない。また接種間隔は生後6週令から14週令までは3~4週間間隔で射ち、大人になってからは3年毎でよいということである。
コアワクチンについて推奨するワクチンの種類について言うと、ジステンパーワクチンは、生ワクチンか遺伝子組み換えワクチンを推奨。パルボワクチンはCPV-1とCPV-2の二つの型があるが、CPV-1は副作用が出やすいこと、CPV-2だけで十分予防できること、また生ワクチンのほうが母親からの移行抗体の影響が不活化ワクチンより少ないということで、CPV-2型の生ワクチンを推奨。
伝染性肝炎はCAV-1とCAV-2の型があるが、CAV-2の生ワクチンCAV-1も予防でき、その効果も長いのと、CAV-1のワクチンは副作用も出やすいということでCAV-2型の生ワクチンを推奨している。
混合ワクチンのうち、コロナウイルスとレプトスピラ症についていうと、コロナウイルス感染は症状もひどくなく、発生も少なく、パルボワクチンによって防げるため打つ必要がない。レプトスピラは種類が多く、地区において汚染している種類が違っていたりして、現状3種類のワクチンではうまく予防できないこともある。
またそのワクチン効果も75%以下である。また副作用も出やすく、特に12週令以下の子犬や小型犬は出やすいため、汚染地帯にいる犬以外は打たないほうがよい。
つまり、12週令以下の子犬や室内飼いの犬は3種混合ワクチンでよく、外飼いの犬は必要に応じて、レプトスピラを加えればよいということである。

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