シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター42:子犬の社会化

      2019/07/25

先日、イアン・ダンバー博士の動物病院むけセミナーを受けてきた。それも倉敷から東京まで新幹線で日帰りである。飛行機で行けばちょっとは時間的に楽なのであろうが、どうも飛行機は疲れる。朝早く起きて頑張っていってきたのだが、内容は初級編で目新しい話はなかったのでがっかり。でも、昼食に蒲田駅の近くの中華料理店食べたギョーザの美味しかったこと(ごく普通のこじんまりとした中華料理屋なのだが、タレントと一緒に撮った写真がいっぱい壁にはってあってちょっと有名なのかもしれない。)それと、かえりに品川駅の地下で買った弁当がこれまた美味しく、セミナーよりも食べ物発見という一日であった。
セミナーの内容は、犬の社会化は生まれてからおよそ3ヶ月で終わってしまうので、それまでに犬や人間と一緒にいることが楽しいと、犬が思うよう学ぶ必要があるということである。多くの場合、犬は2ヶ月令で新しい家族と生活をするようになる。この頃には、社会化の臨界期の2/3が終わっており、一刻も早くのこり4週間で適切な社会化のしつけをしないと、後々犬も人もストレスのたまる生活を強いられることとなる。咬みつき抑制のきかないとか、他の犬や人に対して攻撃的に吠えるなどの問題行動で人も犬も不幸な状態になると言うことである。社会化の2/3をにぎるブリーダーやペットショップが、よい子犬を育てるキーマンであることは明らかである。ですから、よい社会化をしてくれているブリーダーやペットショップから購入するとよい。
一般に動物病院では、伝染病予防の点から3~4ヶ月令のワクチンが済むまで散歩に連れて行かないようにと指導している。しかし、これでは一番大切な社会化の時期を逃してしまう。
獣医師としてジレンマである。
ダンバー博士は3ヶ月令までに100人の人に対して社会化させる必要があるという。毎日3~4人呼んで家でパーティをしなくてはならない計算になる。それも子供から老人まであらゆるタイプの人に馴らす必要がある。現実日本では無理。
そこで、動物病院でも何処でも良いのだが、パピーパーティを開いてそこに参加するというのが良いと思う。しかし、問題はスペースと、もし子犬が病気になったときどうするかということである。最近はすぐ責任取れ、賠償しろとかいう問題になることが多いので・・・。もちろん床の消毒、参加犬の健康チェックなどは必要である。
鉄は熱いうちに打て。しつけのし易いこの時期をのがして後々苦労するか、このゴールデンタイムをすばらしいコンパニオンアニマルとなるために使うか、あなたならどうします?

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