シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター57:いつまで続くメイドイン・チャイナ問題。今度はジャーキーが!

      2019/07/22

ペットフード汚染問題に端を発し、歯磨き粉、おもちゃと、いまや留まることを知らないメイドインチャイナ問題。中華料理が好きなので、中国グルメツアーをと考えていたが、ちょっと待った方がいいかもと考えている。昔は、メイドイン・ジャッパンも鉛筆の芯は直ぐ折れるなど、安かろう悪かろうの代名詞であった。それがQC活動(品質管理)JIS規格と官民一体で頑張っていまの地位を築いてきた。メイドイン・チャイナがブランド力を持つようになることが、今後の中国政府の課題であるが、日本のように行くかどうか見守りたい。
さて、今回は中国産ジャーキー(チキン)である。
アメリカ獣医内科学協会(AVMA)の発表によると、原因はまだ不明で調査中(メラニンではないらしい)であるが、中国産ジャーキーを食べた犬が、嘔吐、下痢、嗜眠、食欲不振を起こし、治療されたとある。死亡例はないという。
血液検査では、低カリウム血症と軽度の肝酵素の上昇、アシドーシスを示し、尿検査では、糖尿と顆粒円柱が出ていた。
血液検査では、腎臓の指標である血中尿素窒素の値は正常なので、尿検査までしないかもしれないが、簡単な検査なのでしとくべきであろう。
この原因物質は、消化管および腎尿細管に毒性を持つが、一般的支持療法(輸液とカリウム補充)で1~2週間で回復すると言う。
今回、問題になったのは中国製ジャーキーであるが、当院では以前より、ジャーキー、骨っ子ガムを食べて、嘔吐、下痢する子が良く見られ、品質に不安なものが多く信頼できないため、飼い主さんにはあまり勧められないと指導している。
何十年前だったか忘れたが、神戸でペット用に回す肉が、人用として販売されて問題になったことがある。
つまり、ペット用というのは、人が食べるには不適であると言うことである。決してペットに良いという意味ではないので、ペットのおやつを買うときは、十分疑って掛かるほうが賢明である。

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