シンシア動物病院

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シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター67:猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)ワクチンできる。

      2019/07/22

この秋より待望の猫免疫不全ウイルス(FIV)ワクチンが、日本の動物病院でも接種出来るようになる。
このワクチン、日本の北里研究所とアメリカのFort Dodge Animal Health社が共同開発しFel-O-Vax FIVと言う名で既にアメリカで使用されている。
FIVウィルスはエンベロープと言う殻に包まれており、このエンベロープに付いている糖タンパク質の違いによりAからFまでの6サブタイプが見つかっている。日本ではサブタイプBが60~70%、Aが20~30%、Dが10~20%、Cが若干存在する。
このワクチンは、サブタイプAのベタルマ株とサブタイプDの静岡株を使った不活化ワクチンである。
普通に考えるとサブタイプBは予防できないと思うが、AとDの組み合わせでBも予防できるという。
感染予防効果は注射による感染実験でサブタイプAのベタルマ株で70%、サブタイプDの静岡株で72%である。サブタイプBは感染猫との二年間の接触感染実験で、ワクチン注射群6頭すべて感染していなかった。このことから、このワクチンで日本での猫エイズは大体防げると思う。
いいワクチンが出来たと思うのだが、何か心に引っかかる。
それは、それぞれのサブタイプには沢山のウイルス株があり変異株が出来るとワクチンが効かなくなると言う問題。それとワクチンの効果を高めるために加えているアジュバントにより、注射部位に炎症が起こると言う副作用である。白血病ワクチンで問題になったのだが、この炎症によって、後々繊維肉腫が起きるのではないかという危惧である。
ベストなワクチンとは言えないが、外に出てよく喧嘩をするかする可能性のある猫にはベターなワクチンであろう。

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