シンシア動物病院

倉敷の動物病院/ペットクリニック/犬/猫/爬虫類

シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター68:ペットにアロマテラピー

      2019/07/22

いま、相撲で問題になっている大麻。
ご存知のように、大麻は中枢神経に作用して、幻覚などの悪い作用をする。しかしそれ以外にも、免疫細胞に作用して、抗炎症作用、鎮痛作用、アテローマ性動脈硬化症、骨粗しょう症を防ぐ作用もあると言ういい面もある。
大麻の成分が中枢神経に作用するのに結合するリセプターはCB1(Cannabinoid Receptor Type 1)、免疫細胞のリセプターをCB2と言い、医療として使えるのは、このCB2に選択的に作用する薬である。
大麻の成分で、βーカリオフィレンがこのCB2に選択的に作用して、抗炎症作用があることが判った。
このβーカリオフィレン、イランイランやクローブなどの植物に含まれていて、それから抽出した精油はアロマテラピーに利用されている。
現状、ペットに対する疼痛管理は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)モルヒネなどの麻薬類であるが、管理の問題からNSAIDsが主である。痛みのメカニズムは複雑で、薬によってブロックする場所が違って、何種類か併用することでより強い効果が得られる。またそうすることで、それぞれの薬の量が減らせ、副作用も少なくなる。
そこで、当院では術後の疼痛管理の補助として、イランイランによるアロマテラピーを行っている。
対照を用いた比較は行っていないが、なんとなく落ち着いて休んでいるように感じる。
いままで、アロマテラピーなどというものに、なんとなく胡散臭いものを感じていたのだが、ちょっと研究してみようかと思っている。

 - 院長ブログ